石垣市の民泊が危機的状況に! Vol.4 総括
">石垣市の民泊が危機的状況に! 署名へのご協力を! Vol.3

その後の動きを含め総括します。

2月17日(月)

おかげさまで、2月15日、16日の2日間で、227名の皆さんに署名していただき、翌2月17日(月)に石垣市議会に請願書を提出してきました。

請願書には、 箕底 用一 氏 、花谷 史郎 氏 、内原 英聡 氏 、後上里 厚司 氏と4人の市議会議員さんが連名をしてくださり、2名以上の条件をクリアしました。ありがとうございます。

この案件は、経済民生委員会の議事となり、経済民生委員会の委員長は、箕底用一氏のため、連名から外れることとなりました。

沖縄県の次呂久 成崇 議員より連絡があり、以下の意見書(パブリックコメント)提出は13件あったとのことでした。

沖縄県住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例の一部を改正する条例(案)について

2月18日(火)

石垣市観光文化課から、「県条例の適応は撤回する公文書を投函した」と市議会議員に連絡が入りました。内容は先にメールで送ったようです。

17日の夕方に、撤退の方向が決まったとの連絡もあり、念の為の請願書と署名の提出が功を奏したのではないかと推測しています。

2月19日(水)

八重山毎日新聞が取り上げてくれました。

2020/2/18 八重山毎日新聞

ちなみに、今回条例が通ったとして、対象となる件数は28件だったということです。

2月21日(金)

保健医療部衛生薬務課に石垣市から正式な文書が届く予定で、庁内決済手続きを経て、知事から議長宛に届け出。25日議会提案予定との連絡が入りました。

これでほぼ一件落着といったところです。


振り返って見ると、沖縄県からの「意見書」の段階は、「基本話はこのまますすめるけど、とりあえず意見があれば聞いてやるよ」くらいの感じで、条例取り下げは難しいのではないかと覚悟はしていました。

しかし、石垣市内で簡易宿所を経営する方が県議会議員、市議会議員にパイプがあり、この実情を伝えると、さすがに石垣市の強行的な姿勢はいけないと、すぐに動いてくださりました。次呂久県議、花谷市議、箕底市議に深く感謝いたします。箕底市議は沖縄県庁にも出向いてくださいました。

我々事業者も 次呂久県議、花谷市議のアドバイスの元、ギリギリの日程で署名、請願書と動くことができました。
今回、動いた事業者は5人でfacebookメッセージでやりとりをしました。署名の会場提供や、立ち会いのご協力もいただき、感謝です。

沖縄県から見ても、石垣市の条例案提出は異例だったようで「このまま通過すると、民泊事業者から損害賠償の訴訟を起こされかねないよ」とアドバイスもあったようです。しかし、それでもなんとか通そうとしたようです。こんな書類も入手しました。

いろいろと指摘したいのですが、とりあえず「住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止する必要があるので」という理由についてだけ。
既存の民泊事業者の意見を聞かず、事業者の今後の不利益も考えずに提出しています。また現在の騒音等が住宅宿泊事業によるものなのか、違法民泊のものなのかなど分析はしていないようです。
最近は石垣市にも半グレが入っていて、さまざまな観光分野へ事業を広げているそうで、もしかしたら、その懸念もあるかもしれません。しかし、だからと言って既存の優良事業者まで一緒に営業できなくしてしまう(実際のところ)とは、いささか強引すぎます。

住宅宿泊事業の施行に伴い、「民泊制度コールセンター」というものができたので、なにかトラブル等があったこちらに相談する形が良いのです。

最近、石垣市はけっこう市民軽視で政策を行っているケースが多く感じます。3ヶ月ほど前には、数年かけて作られた「石垣市自治基本条例」が、ろくな議論もされないまま、あれよあれよと廃止されそうになった。この沖縄タイムスの記事がわかりやすいです。

社説[石垣市自治条例]廃止案の否決は当然だ

最近は「議事録を取っていない」 なんて記事もありましたね。

何か似たようなケースがあるよね…と思ったら、安倍政権の「無理が通れば道理が引っ込む」的な答弁に似ている。ヘリクツを無理やり通そうとしてしまう。今後もこのようなケースは十分起こりうるので石垣市民は目を光らせなければなりません。

とはいえ、石垣市と対立をしてまでも民泊にすがりついてビジネスしていきたいとはぜんぜん思っていません。

近隣の住民の不安もあるだろうし、ゴミの問題も確かにあると思う(大型ホテルの水問題も)。その点はしっかりと現状分析をしていただけるのならば喜んで情報提供するし説明もします(まだほかの人に合意は取っていませんが)。改善する点があれば、していきます。

ただ、民泊はマイナスの何倍以上のプラスをもたらす画期的な地方創生プロジェクトです! 多くの「石垣島・八重山ファン」を生み出す拠点で持続的な観光産業を下支えする宿泊施設なんです!  石垣市が目指す「観光基本計画」に合致し、外国人観光客の受け皿としても適しているんです。基本、外国語ができる人(宿のオーナー)たちが対応するので。

ここはいったん水に流し、というかリセットし、石垣市と民泊(住宅宿泊事業者)が共に手を取り、改善をはかりながら石垣市の目指すべき方向にすすめればいいと思います。

民泊の予約は、AirbnbBooking.comなどの海外のサイトを使うことが多いですが、ヤフオク!、メルカリと同様に「評価制度」があるので、悪いことは互いにしにくい仕組みになっています。地域に迷惑をかけてまで続けにくいビジネスです。
多くの人が参入しやすいものの、競争も激しいため、優良で良い事業者しか今後は生き残りにいくいでしょう。

ホテル業界とパイを取り合う」という懸念もあるかもしれません。しかし、民泊の顧客は「新たなパイ(客層、需要)」でさほど競合しません。例えば、今まで石垣島に興味があってもホテルを予約するのが難しかった外国人客。旅費にお金をかけられない子どもがまだ小さな家族、学生、グループ旅行など。
宿泊者数で比較したら(私の予想では)1/100ほどではないかと思います。ホテル業界が無視できる宿泊者数かと思います。

2007年に 中谷彰宏 氏が石垣島に来島、講演会をしたのですが、たまたま取材で聞くことができました。記憶に残った言葉は「観光で写真を撮られたらおしまい。観光客は『記録』をとって満足してしまう。それよりも写真に撮らせない仕掛けが『記憶』に残り、リピーターを生む」というようなことを言っていました。

失礼ですが、団体ツアーで大型のホテルなどに泊まり、一通りの観光地を記念撮影しながら回るバスの旅は、今までの形。そういう人たちはいろいろな場所に行くが、写真で「ここは行ったことがある」と証拠集めをしているだけ。

これからの観光の形は、「体験」です。川平湾で写真の中に入るよりも、川平湾に住み着いている野良ネコと遊んだほうがよほど記憶に残る。特に子どもなんか、「みるく(うちのワンコ)と早く遊びたい」と観光を早く切り上げ帰ってきたり、花火やバーベキューを楽しんで帰り「石垣島にまた来たい」とリピーターしてくれる。ガイドブックにはのっていない地元の人気店や絶景スポットなどを教えたり、連れて行ったりと、民泊事業者は小さな「大使」として勝手にその地域のPR活動にいそしんでいるわけです。

ぜひそんな点もこれを機に知っていただければと思いました。情報交換の機会をぜひとも持ちたいものです。

というわけで今回の件でいろいろと考えさせられた点をまとめてみました。

参考までに私の宿の宿泊者の統計データはこちらです。


追記

完全に取り下げられました。これで一安心です。

2/26 八重山毎日新聞

追記

3/2 石垣市議会で議題にあがりました。10分52秒の前津究議員の質問あたりからです。

https://youtu.be/rhRsQf2r3H8

3/5 八重山毎日新聞に関連記事が掲載されました。