石垣島天文台では、11月10日早朝、日本人二人が発見した新彗星新彗星「池谷・村上 (Ikeya-Murakami) 彗星」を、むりかぶし望遠鏡で撮影しましたので、その画像 を公開します。
石垣島天文台のホームページの天体画像のページでは、14日からご覧になれます。
新彗星「池谷・村上 (Ikeya-Murakami) 彗星」は、今月3日未明に、静岡県の池谷薫 (いけやかおる) さんが、4日未明に新潟県の村上茂樹(むらかみしげき) さんが、おとめ座で独立に発見した新彗星です。国際天文学連合から、「C/2010 V1」という認識符号が付けられ、通称名は、発 見者二人の名前が付けられ「池谷・村上 (Ikeya-Murakami) 彗星」とされました。
現在、地球からの距離は、約3億7千万キロメートルで、おとめ座をスピカの方向に移動中。発見当時の明るさは、8-9等級でだんだん暗くなっています。
石垣島天文台では、天候が回復した10日未明にむりかぶし望遠鏡(口径105cm)に撮影に成功しました。
むりかぶし望遠鏡が捉えた画像からは、コマと呼ばれる頭の部分が激しく発光しているようすや、核から出るダスト(塵)で作られる尾には細かい構造も見られます。
コマが激しく発光しているのは、放物線を描きながら火星の軌道まで太陽に近づいた際にアウトバースト(突発的な爆発現象)を起こしたと可能性が高いと考えられていますが、それを裏付けるような画像になっています。アウトバーストは、2007年のホームズ彗星(17P)で、話題になった現象です。
彗星の発見は、最近ではコンピュータの発見やCCDの発達で、自動化された望遠鏡でもたらされますが、池谷さんも村上さんも、自分の目で望遠鏡をのぞきながら捜索をおこなう眼視(がんし)観測での発見でした。今では、とても貴重な方法での発見といえます。
池谷さんは7個目、村上さんは2個目の彗星発見となります。
池谷さんは、1965年に見られた大彗星、池谷・関彗星 (C/1965 S1 (Ikeya-Seki)) の発見でも有名です。今回の発見は2002年の池谷・張彗星(C/2002 C1 (Ikeya-Zhang)) 以来、自身が初めて見つけた1963年からの通算で7個目になります。
また村上さんは、2002年のスナイダー・村上彗星 (C/2002 E2 (Snyder-Murakami)) 以来の彗星発見です。
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