2/5に石垣島にイルカ施設ができる。けどちょっと待って
を書いて大きな反響がありました。ありがとうございます。
しかし、賛成な人だけでなく、私の意見に嫌悪感を示す人もいるようです。
そんなよくある意見にまた私の考えを書いてみたいと思います。
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イルカの捕獲議論をすると、「偽善」という言葉を使ったり、短絡的に「だったら牛や豚も食うな」と話をする人がいる。
人に物事を押しつけることは極めて「野蛮」な行為だと思います。
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牛や豚は親子の愛情もあるし感情もある。食肉解体を見たことはないが、その現場は見るに耐えられないものだと思う。
しかし、牛、豚、鳥は「家畜」として人間の手で増やし、管理しているもの(石垣ならばヤギも含まれる)。
家畜は我々人間が頭数を管理できる動物。生きるためにありがたく命をいただき、おいしくいただくことにしている。
このような運動をする人には菜食主義の人もいますが、私にはとてもできません。
私が線引きするラインは家畜か家畜でないかです。たまに野生のイノシシのおこぼれをいただくこともあり、矛盾しているとつっこまれるかもしれませんが。
もう一つの議論。
「イルカを飼うのがNGならば犬を飼うのもNGでは」
という人もいます。犬は人間と古くから生活を共にし、今や人間の管理なしには生きられない生物です。
犬は人間を頼ってエサをもらわずには生きていけません。人間の管理下でペットとしてでないと生きていけないのです。
イルカはもちろん野生動物として自立していますから、人間の力は必要としません。むしろ邪魔なことでしょう。
人間の影響で絶滅してしまったイルカもいます。
揚子江の淡水イルカ、恐らく絶滅した=調査報告
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-27276620070808
水族館の必要性の議論。
できることならば「いらない」と言い切りたいところですが、豊富に生息する魚類だったら展示も良いのではないかと考えます。
ただし、「教育・研究目的で」です。ダイバーならばわかると思いますが、水族館に行くと違和感のある展示をしている場合があり、自然のありのままを紹介していない展示があります。例えば、カクレクマノミを50匹くらいまとめて一つの水槽に入れたり、死んだサンゴにペンキで蛍光色を塗ってネジでとめてあったりします。勘違いをするような展示教育はしないでほしいです。
水族館、動物園とも、絶滅が危惧される野生動物、特に哺乳類の展示には反対します。
「子どもの頃、ライオンを見て楽しんだでしょ?」と言われますが、今でもよく覚えています。「怖くて泣きました」。
ライオンが岩と岩の間に入ってこちらをみて叫んでいたのですが、ライオンと岩が一つの生物になっているように見えて大きく見えたのです。
そのような勘違いをしたりして動物を理解している子どもは少なくないと思います。「イルカは背中に乗れるもの」と思っている大人もいるくらいですから。
世界各地の動物園に動物を供給しようと、多くの野生動物が絶滅の危惧にひんしています。
「教育目的」といえば大義名分に聞こえますが、野生生物を絶滅に追い込んでまで展示する行為は人間のエゴであり、生態系の破壊は将来人間に倍返しされるはずです。
イルカはなぜいけないか。
欧米ではよく「イルカは賢いから」という人がいますが、あまり説得力がないかも。
私の線引きは次の定義で。
「自分が捕らえられことを認識できていてストレスに感じている動物は飼育すべきではない」
「飼育環境が狭く、野生の時の環境と明らかに違うならば飼育すべきではない」
水族館だったら、イルカなどの鯨類、オットセイ、アシカ、シロクマなど。
動物園だったら、ライオン、虎、ゾウ、キリン、猿の仲間など。もしかしたら全ての哺乳類は飼育してはいけないかと。
人間がされていやなことは野生動物にもすべきではない。
拉致行為をしている北朝鮮がいかに非人道的か考えられるならば、同じく自分が捉えられたことを認識している動物を見せ物にしている施設は非人道的ではないでしょうか。
それは子どもでさえ当たり前に考える倫理観ではないでしょうか。
イルカの施設ができると見学に来た幼稚園児や小学生にどのように説明するのでしょうか。
後日その考えをまとめてみたいと思います。
最後に。
どこで線引きして考えるかは、それぞれの人の自由であり、それは押しつけるものではありません。
一番多くの人が線引きをする場所がその時代の人間の思考レベルであって、それは必ずしも正解ではないかもしれません。そのラインは時と共に位置が変わっていくのでしょう。
たまたまこんな記事を見つけました。参考までに。
先進国もするイルカショー、ソウルではなぜしない?
http://japanese.joins.com/article/993/150993.html
牢獄の中の動物たち
http://www.alive-net.net/zoocheck/zoo-check/zoocheck3.html