2014/2/6 0:01 第一稿
2014/2/6 8:17 第二稿(修正)
人工ビーチにイルカ施設 5月のオープン目指す
http://www.y-mainichi.co.jp/news/24279/

という記事がありました。まずは記事を読んでいただきたいです。

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ちょっとこれはですね。一言いわずにはいられないのです。元イルカを追い回していたイルカオタクとして…

追い回すというと変な言い方ですが、海棲哺乳類にはまり、あちらこちらに出かけて自然の中で泳いだり見たりして接触して来ました。

1994-1998 御蔵島 バンドウイルカ
1995-1999 バハマ マダライルカ
1998 ドミニカ共和国 ザトウクジラ
1999 カナダ シャチ
2000 インドネシア ハシナガイルカ
2001 小笠原 バンドウイルカ

などです。行った年は間違えているかも。

そして、国内やハワイ、カナダ、オーストラリアのイルカがいる水族館はかなり回りました。

「イルカ」と題名がつく本はほとんど入手して読みあさりました。

和歌山県太地のイルカ漁シャチ捕獲、富戸のイルカ漁を見てきました。

そんな私が結論をいうと、石垣でのイルカの施設、やめてほしいです。

小さなイケスに入れられたイルカを見るのが痛々しいのです。

イルカを見る機会が少ない石垣島の人にとっては、「イルカ大好き」「イルカLOVE」というコメントもあり気持ちもわかります。

もちろん、自分もそうなのですが、ぜひとも野生のイルカにLOVEしてほしいのです。

この違いは例えると、竹富島に行って水牛車に乗ったあとの気持ちに似ているかもしれません。

ある人は、「水牛はちゃんと自分が歩くコースがわかっていて頭がよく、かわいかった」という感想。

またある人は「水牛は暑い中、私たちをのせて、あちこち歩かされてかわいそうだった。もう今後は乗りたくない」

と感じるかの違いとでもいいましょうか。

「野生のイルカに会えと言われても石垣では会えないじゃない?」というかもしれませんが、その通り。

石垣でイルカを目にする人は海人やダイバーなど限られた人が年に数回目撃するだけ。

近海では生息しておらず、たまたま通りがかりだと思います。

それを石垣で展示するのは不自然だと思いませんか?

「八重山の自然と観光を結びつけた観光事業を提案する特定非営利活動法人(NPO法人)『観光事業活動研究会』」

ということですが、八重山の自然ではないのは明白。イルカも太地から運んでいます(石垣近海で捕まえても困りますが)。

なかなか見られない野生動物だからこそ、自らが出かけて彼らが生息する環境にお邪魔して見せていただくか、今は素晴らしい映像がたくさん流通しているのでそれで満足すればいいではありませんか。ナショナルジオグラフィックの映像を一度見てみて下さい。

どうしても見たければ何年かかけて貯金をしてでも、バハマなどに出かけることをおすすめします。

その時の感動は一生の中で最高の感動になるかもしれません。

イルカは口角が上がっていて、いつでも笑顔のように見えますが、感情は人間のようにあります。好奇心も旺盛です。

狭いイケスや水族館ではものすごくストレスがかかっていて、好奇心を満たす刺激は限られます。

あまり表には出ませんが、水族館ではイルカのトレーナーが攻撃されたり、海外では、シャチによる死亡事故も起きています。

日本の水族館でストレスがたまっていると明らかにわかるイルカにも会ってきました。

「ドルフィンスイム」を手軽に楽しみたい気持ちもわかるし、会えば「セラピー」的に一時の癒しになるかもしれません。

けれども石垣に運ばれたイルカ(5頭のメス?)はこんな過去があります。

このイルカ達は和歌山の太地から3日かけて石垣島にやってきました。

イルカは家族同士が群れになって泳ぎます。オスが単独で行動もしますが、同時に捕まるということは母親と子ども(子どもはオスもメスもいる)である可能性が高いです。

太地では家族と別れていることでしょう。

※一部修正
(書いてから8時間後に記憶に間違いに気がつきました。下記は太地ではなく、静岡県伊東市富戸での記憶です。太地ではシャチが湾内に追い込まれた時に行っています)

他の家族は人間にモリでつつかれてすぐ隣にある漁協で食用に解体され、真っ赤な血だけが海に戻されています。

その真っ赤に染まった血の海で、水族館の職員に見定められたイルカ(特に若いメス)が捉えられ、違う水族館に買われたり、中にはショック死して水底に沈んでいきます。

子どものイルカを守ろうと懸命に人間の間に入る母イルカの姿。それを無慈悲にモリでつく漁協者。

そんな戦場のような光景を太地富戸で目撃しました。

(※現在富戸ではイルカ漁をドルフィンウォッチングに切り替えて漁協者が収入を得ているという話も耳にしています)

そんな修羅場をくぐり抜け、太地ではどのような形で捉えられたかわかりませんが、いずれにせよストレスがMAXの中、3日間、せまい空間に入れられ、石垣島に運ばれてきました。

水族館に運ばれている間に死ぬイルカもいます(今回はわかりませんが)。

笑っているように見えるイルカには、そんな人間のエゴによる悲惨な思い出が隠されているのです。

石垣についてからもしばらくエサは食べなかったとか。当然でしょう。

5頭いると聞いていますが、おそらく1年以内に1頭はストレスにより死んでしまうと思います。

正確に数字は覚えていませんが、野生では50年以上生きますが、水族館では10年生きれば長生きの部類に入ります。

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もう一つ、研究目的という議論もありますが、ハワイで先進的に研究しており、人間と道具を使って意思疎通できるなど、例えればNASAレベルのことをしています。今さら石垣で研究する余地は残されていないかと思います。

台風の時も心配ですね。高潮とあたれば、イケスが壊れ、逃げることも考えられます。

私からしたら野生に帰ってほしいですが、果たして野生で生き抜けるだけの泳力、エサを自分の力で取る能力が残っているか心配でもあります。

できれば1年以内に野生に戻れればいいと願いたいと思います。

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石垣には観光資源がないという議論もあるかもしれません。

だからといってイルカに頼るのもいかがなものかと。

ありのまま、受け入れられるだけのままでいいじゃありませんか。

イルカを見たければ国内、海外あちらこちらに施設はあります。

もしこの計画が石垣市もからんでいればがっかりです。

イケスの場所がよくわかりませんが、石垣市が許可しないと作れない場所ではないでしょうか。

ちなみに水族館も不要です。

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といろいろな方面に話が飛びましたが、個人的にどんな場所か、どのくらいの広さか、どのように人と接触する形をとるのか、見たい気持ちもあります。

この件に対し、ケンカ腰に議論する気はありません。

とりあえず、今の気持ちを書いてみました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

あちらこちらで撮影したイルカなどの野生の姿の映像は、また別の機会に紹介したいと思います。

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2/11 追加記事を書きました。

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